新型コロナウイルスのパンデミックが始まった令和2年から、5年の歳月が流れました。
あの年にご逝去された方々のご遺族にとっては、来年が七回忌の節目となります。
昭和・平成・令和と時代が移りゆくなかで、葬送のかたちは大きく変わりました。
かつてはあった日本の伝統的な「ならわし」や「しきたり」は、
コロナ禍を経た今となっては、遠い過去のもののように感じられるかもしれません。

けれども、だからこそ、今ここにある「身近なご縁」を大切にしながら、
葬儀や法要といった仏事をもう一度見つめ直すことが、大事なのではないでしょうか。
現代の生活スタイルに合わせて、無理のないかたちで仏事を勤めることは可能です。
慶集寺より、未来につながる新たな葬送仏事のあり方をご提案いたします。
❶ 多様化するお葬式
ご希望をお聞かせください
現代は、超少子高齢化を越えて、多死社会から人口減少社会へと移り変わる時代です。それに伴い、人それぞれの生き方や人と人とのつながり方も、かつてとは大きく異なってきています。
以前であれば、葬儀における導師(僧侶)の役割は、伝統的な取り決めに従って一連の儀式を執り行うものであり、ご遺族にはその手順や作法を伝えることが主な務めでした。
たとえば、ご自宅での枕経から始まり、ご本尊のお迎え、納棺・出棺・通夜、そして葬儀・火葬・初七日・会食・収骨、そしてご自宅への還骨と続く「一般葬」が、旧来からの典型的な流れでした。
しかしこのような葬儀を執り行うには、ご自宅に仏間があることや、親族・地域・職場などの縁者が一堂に会する段取りを整えられることが前提になります。現代の社会状況においては、そうした条件がそろうこと自体が、すでに稀なことになっています。
従来であれば、1日目に納棺と通夜式、2日目に葬儀式と初七日法要を営むのが一般的でしたが、最近では「一日葬(通夜式を省略する身内でのご葬儀)」も現実的な選択肢のひとつとなってきています。また、火葬場で荼毘に付されたご遺骨を本尊前に安置して、寺院施設を会場としてご縁の方々が集う「遺骨葬」の方法もございます。
昨今においては、ご遺族の状況に応じて、適切な葬送仏事の流れをアドバイスしたり、サポートしたりするのが「導師」の役割となっています。慶集寺ご縁の会にご入会いただくことで、葬儀の際に必要となる費用の見積もりなど、日頃から気軽に葬送仏事に関するご相談をすることができます。
その備えがあれば、もしもの時にも落ち着いて対応することができ、不要な手続きや費用を省き、後悔のないお見送りをすることができるはずです。慶集寺住職が、四半世紀を超える経験をもとに、ご遺族の皆さまとともに、心のこもった葬送仏事をお勤めさせていただきます。

❷ ご遺骨のお預かり
ほんとうに安心できるように
荼毘に付されたあとのご遺骨は、ご自宅の仏間に安置してお護りし、ご命日から数えて七週間のお勤めや四十九日間法要を経て、家のお墓へ納骨するというのがこれまでの一般的な流れでした。
しかしながら近年では、ご高齢の方のお一人暮らしでご遺骨のお護りが負担となる場合や、仏間のある旧家が空き家になる場合、またはご自宅に仏間が無いというご家庭も増えています。そして、そのような際には、まずは慶集寺にてご遺骨をお預かりし、ご遺族に代わってお護りするケースが多くなってきました。
家墓をお持ちであれば、納骨の見通しも立ちやすいのですが、家墓をお持ちでない場合や、今後の方針がまだ定まっていない場合も少なくありません。ご家族やご親類の間でよく話し合い、納骨やお墓に関する方針を共有しておくことが、現代においては大切なこととなっています。
現代では、従来の家墓への納骨に加え、納骨堂・共同墓・樹木葬といった多様な埋葬形式も広く受け入れられるようになってきています。また、将来的な墓じまいの可能性を見据えた上で、現時点での選択をしておくことが、次の世代への負担を軽減することにもつながります。
後悔のないご判断をしていただくためにも、次回のご法要までの期間を活用して、皆さまで心ゆくまで考えを深め、意見を交わす機会をもつことが大切です。
慶集寺にてご遺骨をお預かりすることで、日々のお護りはお寺が責任をもって行います。ご連絡をいただければ、共にお参りをさせていただくことも可能ですので、ご安心いただけることと思います。ご縁の方々でじっくりと話し合いを進めていくためにも、お寺での「預骨(よこつ)」をご検討いただければ幸いです。

❸ お寺でのご法要
かけがえのないご縁をつなぐ
戦前・戦中の世代が中心だった時代には、大人数の親族をご自宅に招いて執り行う「大法要」が一般的でした。しかし、家族や親類の規模が一回り小さくなった現代において、かつてのような大規模な法要をそのまま再現するのは、現実的に難しいこととなっています。
現代では、家族葬(家庭葬)に始まり、四十九日や一周忌、三回忌、七回忌などのご法要も、ごく限られた人数で行われることが主流になってきました。とはいえ、ご自宅を会場として法要を行い、お客様をお招きする場合には、まず駐車スペースの確保など、さまざまな準備が必要になります。
そのような中で、慶集寺の施設をご利用いただければ、7~10台ほどの駐車が可能で、ごゆっくりおくつろぎいただける待合スペース「琳空館」と、20名までのご参拝が可能な「新御堂」をご用意しております。また、ご希望に応じて仕出し弁当を注文し、会食を行える「会所」もございますので、参拝される人数にあわせた形で対応させていただきます。
ご法要の後の会食も、大切な仏事のひとつだと慶集寺は考えています。ご家族やご親類が、これからのご縁をつないでいけるような、語らいのひとときを持てるような場所を、ご一緒に創ってまいりたいと願っております。
