慶集寺についての自己紹介

琳空館ギャラリーにようこそいらっしゃいました。

慶集寺は、富山県富山市東岩瀬の土地に300年続く寺院です。

私はこの寺の18代目の住職で、河上朋弘(かわかみほうぐ)と言います。

私は日本の仏教の一つの宗派としてある、浄土真宗本願寺派の僧侶です。世界にはいろいろな仏教の宗派がありますが、浄土真宗の特徴は、一般的な社会生活のなかで誰にでも実践できる仏教だということです。

慶集寺は小さなお寺ですが、幾つもの時代を経てきた、とても古い歴史があります。その起源は加賀の地にあった一向一揆の抗争から逃げてきた、生き残りの歴史から始まります。

東岩瀬の起源と重なる約500年前から私の祖先がこの地域に住んでいたと伝えられています。

慶集寺は、これまで時代の変化にあわせて新しい試みを行い、生き残ってきたお寺です。慶集寺が他の多くのお寺とは異なる独自の性格を持つことは、この施設を見ていただいてもわかると思います。この建物は、岩瀬大町通りにある琳空館(りんくうかん)という、多目的な文化活動に利用するための施設です。

この施設はもともとガレージとして利用されていた倉庫をリフォームしたものです。

つまりは「ガレージ・テンプル」です。

そしてまた慶集寺は、檀家制度による制度的な後ろ盾を持つことなく、東岩瀬に住むご縁の方々による支援によって独立自営的なやり方で維持されてきたお寺です。

いわば「インディーズ・テンプル」です。

慶集寺の特徴は「創造性(Creativity)」と「実験性(Experimentality)」と「現代性 (Contemporality)」にあります。

お寺には伝統を守っていくという役割がありますが、時代に即応して文化を創造していくということも、大切なことだと私は考えています。現代仏教文化の最前線の一つが、慶集寺だと思っていただいていいと思います。


写真:本多 元