④02. 信と真と心のプラサーダ
澄み切った、汚れのない、真の心の状態をサンスクリット語で「プラサーダ」といいます。仏教で大事とされる「信心」とは、そのような心の状態を言います。
中世の日本に現れられた大乗仏教徒である親鸞は、「信心(プラサーダ)」という心の状態は誰にでも開かれていることを人々に伝えようとされました。
親鸞は、インドから中国を経由し1000年以上かけて日本に伝わってきた、浄土仏教という大乗の一宗派を学ばれました。
親鸞が先師より受け継いで大切にしていた言葉が「自信教人信(じしんきょうにんしん)」です。その意味は「自分が心から確かに信じられることを人に教えて信じ伝える」ということです。
これは親鸞にとって、最も重要なことでした。なぜならばこれこそが、サンガ(仏教の仲間)の関係性において最も重要なことであるからです。
宗教の肝要は「信じる」という心の状態にあるはずです。上辺だけ信じたふりをしているだけでは、本当の信仰と見なすことはできません。
自分本位な思い込みや決め付けではなく、自然の道理に適っている真実を信じなければいけません。そうでなければ、それは私が本当に信じるべきこととは言えません。
それは世俗的なものでしかありません。それを真実とすることは到底できません。
何の根拠もなく、何かを強く信じることによって、熱狂的になったり、狂信的になったりすることもあります。これは、人間の盲目的な信じ方です。それを盲信といいます。
正しい理性をもって本当のことであると認識される事実を、確かに信じる心を私たちは持っているはずです。真実を理解するということは、自然と心が静かに落ち着くということです。心を静かに落ち着かせて、他者と付き合うことが大切なのです。
私は自分が疑いなく心から信じられることを、信じていたいと思っています。
そしてそれを、人々と共有し、共感したいと思っています。
親鸞が究められた浄土仏教の大乗思想を
「浄土真宗」と言います。
そしてまた海外にまで伝わったその教えを、
英語では「シン・ブッディズム」と言うようです。
シンと発音される言葉は
「真」とも「信」とも「心」とも
言い換えることが出来そうです。
浄土真宗とは、「信心」という、
真実に基づく平和で安らかな心のあり方を
最も大事にする宗教であるはずです。
それが、私にまで伝わってきた
シン・ブッディズムです。
① 日本のスピリチュアリティ
01. 日本人の仏教観
02. ありがとう おかげさま
03. 仏と一つに成る
04. 彼岸からの光
② 仏の教えと大乗思想
③ 聖徳太子の仏法
01. 日本のお釈迦さま
02. 信と礼と和の理想
03. 世間虚仮 唯仏是真
④ 親鸞聖人が伝える信心
02. 信と真と心のプラサーダ
⑤ 南無阿弥陀仏を聞く