聖徳太子1400回大遠忌をご勝縁として

『聖徳太子と法隆寺展』図録より 十七条憲法 版木の刷り上がり

今年2021年は、聖徳太子が日本で最初に浄土(天寿国)に往生されて、1400年となる節目の年です。世界中がコロナウイルス感染症に見舞われ、時代が大きく変動している只中にあって、太子の建てられた『十七条憲法』に、今を生きる私たちが学ぶべきことは多くあります。

いつでもどこでもどんなときにも、私たちが心にとどめておかなければいけない大事なことが『十七条憲法』に記されています。その心を読み解き、現代人にとっても受け止めやすい言葉に置き換えて、6つの徳目に要約させていただきました。

『世間にあって仏道をゆく六徳目』

そしてまた、慶集寺寺族が寺院の運営管理の役職に就くにあたって心掛けるべきことを、『十七条憲法』意訳のかたちをとって、取りまとめさせていただきました。

『十七条心得』

わかってるつもりでもなかなかやめられない

気付けない自分に気付こうとするところから

太子が未来世に向けて願われたことを

いま確かに心に受け止めて

自分なりに 自然な気持ちで 

日々の生活に仏道を往きたいと思います

令和3年10月30日
奈良 斑鳩 法隆寺 夢殿にて

聖徳太子1400回大遠忌をご勝縁として
真心より 誓い 願われる

琳空山 慶集寺 十八代住職 釋 朋弘

参考図書:
聖徳太子『勝鬘経義疏 維摩経義疏(抄)』中村元 早島鏡正 訳(中公クラシックス)
聖徳太子『法華義疏(抄) 十七条憲法』滝藤尊教 田村晃祐 早島鏡正 訳(中公クラシックス)
坂本太郎『人物叢書 聖徳太子』(吉川弘文館)
中村元『聖徳太子 地球志向的視点から』(東京書籍)
川瀬和敬『皇太子聖徳奉讃講話』(法蔵館)
吉村武彦『聖徳太子』(岩波新書)
東野治之『聖徳太子 ほんとうの姿を求めて』(岩波ジュニア新書)
土田健次郎『儒教入門』(東京大学出版社)

等、多数。  感謝 尊敬 合掌