未来につながるお寺であるために

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旧北前船廻船問屋街の歴史ある落ち着いた町並み・岩瀬大町通りのほぼ中央に「琳空館(りんくうかん)」があります。この界隈には新しいお店が次々と出来ていて、近年ではちょっとした観光地のようになっています。

琳空館の角にある石碑を目印にして曲がったところの小路は「御鷹道(おたかみち)」と呼ばれる、東岩瀬の歴史的な古道です。

この道は、中世の頃よりあったといわれる「東岩瀬村」の生活通路で、江戸時代には加賀藩の大名行列が通った道だと伝えられています。(くわしくは『東岩瀬古道・御鷹道』をお読みください。)

いまも近隣住民や観光客などの往来がある「公の通路」として利用されていますが、道幅が狭い範囲があって車両の往来ができないため、「市道(公道)」としての認定を受けていません。所有者のいない「官地(国有地)」となっている状態で、近隣の住民らが協働して維持する土地となっています。

御鷹道は慶集寺にとって、なくてはならない大切な道です。慶集寺境内地にある御堂や墓地への参拝者は、従来よりこの通路を利用されています。また、境内地の駐車場を利用するには、車両が進入するための通路としての必要性もあります。

私有する者のいない「官地」でありながら、現在も多くの人々が利用する「公の通路」として存在し続けているということは、この道には中世の頃より続く「東岩瀬の歴史」が遺されているということです。

御鷹道は、地域にとっての重要な「古道」として、保ち護っていかねければいけない土地なのです。

宗教法人 慶集寺では、境内地の環境整備と同時に、御鷹道の史的保存を目的として、慶集寺境内地の外構工事計画を進行してまいります。これが「慶集寺創建三百周年記念事業」の最終段階となる工事です。

親鸞聖人御生誕850年・浄土真宗立教開宗800年の節目の年となる令和5年(2023)を機縁として、慶集寺にご縁の方々に向けてこの計画をお呼びかけして、この事業を無事成就することで、慶集寺と御鷹道を未来につなげていきたいと思います。

慶集寺の取り組む公的、歴史的事業に、みなさまよろしくご協力ください。

境内地工事の完成イメージ

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